3日前、息子が iPod Nano を落としてしまった。それもエレベータのドアの隙間に。
母親と回収を試みたが、うまくいかず断念。
それを聞いて、「ケンケン、なんで諦めるんだ」と私。
「だって、深い所にはまり込んだから、取るのは無理だって」とケンケン。
「じゃ、お父さんがうまく回収できたら、もらうぞ」。
というわけで、今夜回収決行。
なぜ夜実行したのか。昼間では回りの明るさで、エレベータの下に懐中電灯の光が届いても、よく見えないから。回りの暗い夜の方が、懐中電灯の明かりがより効果的。
まず、どこに落ちているかを確認。確かに、金具と壁の狭い隙間に落ち込んでいる。深さも2mはありそうだ。
園芸用の添え木(金棒)2本をテープで固定し、適当な長さに。
その先に粘着テープを付ける。
いざ回収作業開始。
棒の先に付けたテープが壁に当たらないように気をつけながら下におろす。
iPod の上まで無事にたどりつく。
「貼付け!」
意気込み空しく、何度テープを貼付けようとしてもくっつかない。
衝撃保護用のラバーがテープの張り付きを妨害しているようだ。
落下衝撃防止用のオプションがかえって回収を邪魔している。
う〜ん、困った。
棒の先端で iPod をひっくり返している時、偶然丸い突起に光が当たった。
「あれはなんだ」
「あれは、ベルトに挟むためのバネをつけたり外したりする時の出っ張り」とケンケン。
「じゃ、そこに輪ゴムを引っ掛けるようにすれば上がるんじゃないかな」
ずっと座って作業をしていたため、足腰が痛みだした。トイレにも行きたくなった。
トイレを済ませて戻ってみると、ケンケンがいない。どうもすれ違いで家に戻ったらしい。
棒やテープなどの機材を持って。
家に戻ると、ケンケンが「お父ちゃん、輪ゴムに引っ掛けて上げたよ」と嬉しげに報告。
「約束通り、お父ちゃんのものだね」
「何言ってのさ。そんな埃だらけのiPod なんていらないよ。自分できれいにして使いな」
この「事件」に取り組んで1時間の格闘であった。