最近時事問題の投稿が続いたが、ここで少し仕事の話題を。
今日、某 I 社と表記の件で討論をした。
デジタル映像配信は少しずつだがいろいろな媒体を通じて始まっている。
もっともポピュラーなのが、インターネット経由のデジタル映像。
去年4月から、ユーセンが Gyao で無料映像配信を開始、アップルも Pod Casting で追随。
地上デジタル放送も首都圏、名古屋圏、大阪圏でサービス開始。
このうちハイビジョンを謳っているのは地上デジタルのみ。
これらの映像配信に使われている圧縮方式は、mpeg2, mpeg4 が中心で、アップルのみ H.264 を使っている。
今年4月からサービスが開始される携帯電話向け「地デジ」「ワンセグ」サイマル放送は H.264 を使う。
H.264 は圧縮率が高く、つまり、同じ画面サイズの映像を送る場合、mpeg2, mpeg4 に比べて、4倍から2倍以上効率が良い。言い換えると、伝送する場合のビット数が少なくて済む。
これは、伝送線路(空中線を含む)が同一の場合、よりきれいな映像を送れるし、同一レベルの映像を送る場合は、より遅い伝送線路でも送れるということを意味しており、結局、よりきれいな映像をより手軽に見ることができる、というメリットを消費者にもたらす技術だ。
ただし、ハイビジョンクラスの映像を H.264 で送ることは可能でも、それを復号化するのはかなり大変である。PCでいうと、2.4GHz Dual Core CPU がないと復号化できない。
デジタルセットボックス用のチップセットを開発しているベンダーは、ワンチップでそれが可能となるように開発中だが、それが市場に出るのは今年の末になりそうである。
ハイビジョンのコンテンツはある。それを伝送するメディア(媒体、インフラ)は、光ファイバー線路が整いつつあるため、地上デジタル放送を含め、じょじょに整備されている。
残りは、復号するための効率の良いハードウェアの出現を待つだけだ。
それがいつになるのか。多分早くても来年前半。来年がハイビジョン H.264 映像配信元年となるだろう。口火を切るのは、多分アップル。
iMac ユーザーが一番最初にその恩恵に浴するに違いない。