ありんこママさんの「タクシーで送り迎え」からトラバします。
アメリカで子供を育てた経験から少しお話します。
アメリカはどこの国よりも児童誘拐の多い国です。スーパーに買い物に行くと毎週のように "missing child" の張り紙がありました。統計によると誘拐するのはたいていはその子供の実の親です。「なぜ親が自分の子供を誘拐するの?」と思う方も多いと思いますが、アメリカ、特にカリフォルニアでは小学生の家庭の実に半分以上が片親、つまり離婚家庭です。
子供の養育権をどちらが持つかは裁判所の判断になるのですが、母親が職業を持っていなくても、ということは収入がなくても子供を養育することは可能です。離婚調停の時にその家庭の収入(もし妻に収入がなければ夫の収入)の半分を妻に分割することが強制されるため、母親は働かなくても子供の扶養をすることが可能になります。
その一方で父親が子供に会う時間は著しく制限されます。週に1日会える日があれば良いほうです。いろいろな事情があって離婚のやむなきにいたっても自分の子供には会いたいものです。そんな時に会う時間が制限された場合、父親(その反対の場合もあり得ますが)の取る手段は、幼稚園(kindergarten)や小学校に子供を迎えに行くことです。
学校で各家庭の離婚状況を必ずしもつかんでいないことが多いので、学校ではなんの疑いも持たず父親に子供を渡します。父親がすぐに母親の下に子供を返せば問題は少ないのですが、時には自分の家にそのまま住まわせてしまうことがあります。
母親が元夫の住所を把握していればいいのですが、引越し後の住所を知らないケースがままあるので、そうなると母親は自分の子供の居所がわかりません。これが誘拐でもっとも多いケースです。
日本では営利目的の誘拐が多いため、アメリカの事情が参考になるわけではありませんが、以外なところに誘拐の原因が潜んでいることに注意が必要です。
ありんこママさんのおっしゃるように、悪意を持った人がタクシードライバに化ける可能性がないとも限りません。一番安心なのは自分で迎えに行くことです。もし仕事などで迎えにいけない場合は、保育園の保育時間を延長するような行政側の配慮や、学校に隣接した学童保育施設を充実させる、などの施策が必要です。
安心して暮らせる街をみんなで作っていきたいですね。